
今回の大工志塾の修了制作は、単に大工育成のための事業ではなく、
神流町産の木材をブランド化して、価値の高い木材として売り出したいという神流町としての狙いがあります。
ニュースなどで盛んに言われているように、コロナ禍とロシア・ウクライナの影響で木材の輸入量が減り、輸入材に頼っていた業界が一気に国産材にシフトしたために、木材の価格は高騰しています。
これがウッドショックと呼ばれています。
しかし、神流町の動きは、これとは全く関係ない、未来を見据えた動きです。
ハッキリ言って、ウッドショックで高騰した価格のほとんどは山には還元されておらず、消費者の手元に届くまでの間のどこかで過剰に上乗せされているのではないかと勘ぐってしまいます。
神流町には、良質な杉・桧がたくさんあります。
写真からわかるように、大径の原木からとった構造材は赤身が多く、節も多くありません。
一方、市場で買ってきた構造材は、小径木からとっているからか白太が多く、節も多いように思います。
神流町の木材が特別良いものを選んでいるわけではありません。
むしろ、少し曲がっているとか、表面に傷があるなど、市場に持っていくと低質材と評価されてしまう木材も、
いざ製材してみれば、とても良い材料だったりします。
これまで、神流町は原木を市場に持っていくだけで、市場では何の変哲もない木材として扱われていましたが、
今後は、森林組合で自ら製材をし、
質の高い木材として、大工などの木材利用業者に直接販売することを目指しています。
私たちにとっても、中間マージンがかからずに木材を購入できるので、とても有難い話です。
町の新しい産業を作り、
新しい雇用を生み出し、
地元の木材で地域の建築を作る
山間部の小さな自治体だからこそ取り組める、持続可能な町の未来が見えてきました✨