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雨の行方

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以前、雨は私たちにとってとても大切なものだということを書きましたが、
先日からの大雨で、九州北部は記録的な被害を受けてしまいました。

みなさんは大丈夫でしたか?

観測史上最高の雨量という地域もちらほらで、いたるところの川が溢れ、道路が川のようになっていました。
あれだけの量の水が一気に流れ込んでくるわけですから、海も受け止めきれませんよね。

車も、電車も、飛行機も、こんなときは役に立ちません。

うちには2人帰れなくなってしまった学生さんが逃げ込んできました。

都心部では交通が麻痺したり、家が水害を受けたりといった被害ですが、
それとは別に、山間部に大きな被害をもたらすのが、、、

土砂崩れ。

今回も何人か亡くなってますよね。

この土砂崩れ。天災のようですが、よく考えてみると人災のような気もしてきます。

雨が降ると、その水は地表にしみこんで、川に流れ込み、やがて海にたどり着きます。
見落としがちなのが、山が水を蓄えているということです。
山はかなりの量の水を蓄えることができます。
幹の中、葉の中、根の掴んでいる土の中、等です。
近年の日本の山は多くが人工林で杉やヒノキばかりが立っている山ばかりです。
実は、杉やヒノキは根が浅く、掴んでいる土の量が少ないため、雑木(ぞうき~栗や樫等の広葉樹~)に比べて、水をあまり蓄えておくことができません。
さらに、地表面の浅い土にしか根付いていないため、表面の土が崩れやすい、いわゆる地すべりを起こしやすいのです。
根が深いと地すべりが起きにくいのは、想像しやすいですよね。

杉やヒノキは成長が早く、材料としても扱い易いために、雑木林がどんどん杉とヒノキに替わっていった時期があります。
林業をやっている人にとっては、早く売れるものを作りたいという気持ちですよね。
わかります。十分に理解できます。

しかし、雑木林がなくなることで、山がもろくなっているということも忘れてはいけません。

雨量が増える→山が水を蓄えきれない→都心部に流入、土砂崩れ

大雨で被害が出る背景には、少なからず林業の問題があることを知っていただけると、なんとなく嬉しいです。

早く梅雨が明けて欲しいですね。

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