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ものづくりへの目覚め

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私が、自分自身がものづくりが好きだと自覚し始めたのは、小学校高学年のときでした。
図工の時間に、一枚のベニヤ板を自由に加工して、自分の好きなものを作るという課題がありました。
私は、CDラックと、鉛筆立てを作りました。

鉛筆立てと言っても、単純な筒状のものではなく、自分が使っていた学習机のミニチュアの形で、その天板に穴を開けて鉛筆を立てるという、他の人が作らないような形の鉛筆立てを作りました。
(文字で書いても、形が想像できないですね・・・)
まずは、自分の作りたいものの図面を描いて、先生に提出します。おそらく、平面図、立面図などを描いて先生に見せたと思うのですが、「先生にはこの形をどうやって作るのかわからん。わからんけん、コメントのしようがないから、このまま作ってみて完成したものを見せてくれ」と言われてしまいました。
先生のチェックが無いとなると、作り方は自分で考えるしかありません。
単純な形状ではありませんから、形の違う板を何枚も切り出さないといけないし、特に難しいのは、板の厚みを計算に入れないと、組み合わせた時に接合部がうまく合わなくなってしまいます。
当然、授業時間中には完成させることが出来ず、休み時間なども使って試行錯誤し、何度か切り直しをしながら、どうにか鉛筆立ての形になり、
完成したものを先生に見せたところ、「こうやって作るんだったのか。完成したものを見ても、やっぱりよくわからんな。」と言われてしまいました。
当時の私は「先生にも理解してもらえないってことは、僕はよほど変わったものを作ったんだな。でも、それを形にできた俺ってすごい!」と思いました。
自分の思い描いたものを実現できた喜びは、今でも覚えています。たとえ他人にはわかってもらえなくても、別にどうってことありませんでした。

また、CDラックも、誰も作ったことのない形にしてみたいと思い、CDケースを斜めに収納するような形状にしましたが、これはあとから考えると、CDを単純に立てるよりも2倍近くスペースを余計にとってしまうという、収納することで場所をとるという本末転倒なアイテムになってしまいました。

私は、絵を描くのが得意ではないのですが、図工の時間の、特に工作の時間は大好きでした。
もちろん作ったものを誰かに評価してもらいたいという気持ちはあったと思いますが、それ以上に、自分自身が作りたいと思ったものを実現するということ自体が楽しかったんだと思います。
これは、大工になって20年以上たった今も、全く変わっていません。
(つづく)

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