住幸房で再生中の現場で「畳の手縫いワークショップ」を開催しました。
主催は、NPO日本民家再生協会(JMRA)九州沖縄地区です。
多くの方に参加していただき、朝から夕方までみっちり、盛り沢山の内容でした。
手前味噌ですが、畳の魅力を改めて感じることができるとても良いイベントだったと思います。
私たちは、これからも、日本の伝統的な住文化の発展のために活動していきます。
次回のイベントは、8月下旬に同じ現場で、玄関土間の三和土(たたき)をワークショップ形式で作ります。
泥遊びの延長のようなものなので、小さなお子さんでも参加できると思います。
ぜひご参加ください。
主催のJMRA九州沖縄地区のレポートはこちらからご覧ください。
JMRA九州沖縄地区のFacebookページ
さて、今回のワークショップを写真で振り返ってみたいと思います。
次に、測った寸法に合わせて、畳の藁床(とこ)を切るわけですが、まずは、短辺から切ります。
定規を当てて、包丁で切り目を入れて
切り目が入ってところを、押し切りしていきます。
今、藁床は表を向いているので、入り勝手になるように、包丁を内側に倒して切っていきます。
次に、畳表(たたみおもて)の端から出ている糸の端を、ほどけないように結んでいきます。
この作業は、「からくり」というそうです。漢字はわかりません。「唐繰り」かな?
この作業は、畳表をパンッと張るときに重要な作業です。この「からくり」がしっかり結べていないと、畳表を張った時に、い草が片寄ってしまいます。
現在では、蝋を塗って固めてる簡易な工法が使われているそうです。
でも、しっかり畳表を引っ張る時には、この「からくり」が一番だとか。
この「からくり」は参加者全員で交代しながらの体験です。
この時、参加者が各自で作るミニ畳用の畳表も「からくり」で端を結んでいきます。
さて、この日の昼食はカレーです。
この現場の棟梁で家主の滝口(住幸房)シェフ特製の牛テールカレーです。
子どもたちには甘口を準備してます。
さて、午後からの作業は、「からくり」が終わった畳表を、藁床に固定していきます。
まずは、片側を待ち針(かなり大きい!)で固定します。
藁床をしならせたまま、もう片一方を固定します。
確かに、「からくり」の固定が弱いと、この引っ張る時にい草が片寄ってしまいそうです。
両側を待ち針で固定したまま、縁(へり)と一緒に畳表を藁床に縫い付けていきます。
畳表の目と縁の端が合うように縫い付けます。
この作業の難しいところは、裏を見ずに畳針(これまた大きい!)を刺して、表の狙ったところに出さないといけないというところです。
糸が一直線に進んでいかず、みなさん苦労していました。
縁の裏には、縁の角がまっずぐ通るように、紙も一緒に縫い込んでいます。
畳に千枚通しを刺しているのは、畳表がずれないように。
畳表の目のところならば、針を刺しても跡が目立たないらしいです。
藁床と畳表と縁を縫い付けた後は、藁床の長辺を切り落とし、縁を折り曲げて、藁床の側面に被せます。
そして、側面から表に向かって斜めに糸を通します。
この時の針の出口の狙い目は、畳表の目のところです。
ここに出さないと、跡が目立つのですね。
そして、裏に向かって、また斜めに針を通します。
裏に出てきた糸を、また側面から刺すので、藁床の端に糸を巻き付けていくような感覚です。
さて、各自で作るミニ畳の方はというと、
まず、「からくり」で端を結んだ畳表を必要なサイズに切ります。
そして、畳表に縁を縫い付けていきます。
床を一緒に縫わないやり方なので、縫い目を一直線に通すのは、割と簡単でした。
縁のついた畳表を、畳床(今回は建材床を使用しました)に固定します。
縁の端が一直線になるように、折り目をきっちり出しています。
実はこの畳、時間内に完成することができず、この後1時間ほど延長して、完成しました。
手縫いだと、かなり時間がかかります。
1人前の職人さんが2~3時間かかる工程だったようです。
完成した畳を納めた瞬間の動画は、JMRA九州沖縄地区のFacebookページをご覧ください。
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次回のワークショップも、ご期待ください!